日本鳥学会2024年度大会でBiPを紹介

東京大学で開催された日本鳥学会(2024.9.13-16)で以下の口頭発表を行い、BiPを紹介しました。
BiPで共有する鳥類の移動情報と海鳥由来の海洋物理情報
渡辺伸一(Little Leonardo/麻布大)、野田琢嗣・小泉拓也(Biologging Solutions)、依田憲(名大院・環境)、高橋晃周(極地研)、縄村静花・佐藤克文(東大・大海研)

要旨:小型の計測機器を動物に取り付けて動物の行動や生態、さらに周囲の環境情報を記録手法はバイオロギングと呼ばれる。近年、装置の小型軽量化が進み、多くの鳥類種で装着が可能となっている。演者らは、バイオロギングデータの保存と共有を目的とした無料のデータリポジトリであるBiologging intelligent Platform (BiP)を開発した。BiPサイト(bip-earth.com)から、誰もが自由にデータを登録し、それを公開・非公開のデータとして管理することができる。すべてのバイオロギングデータは装着機器や装着個体のメタ情報と関連付けて標準化して保存され、様々なアプリケーションで利用することができる。さらにBiPでは海鳥から得られたGPS情報から直接観測が困難である海洋物理情報(海流・海上風・波浪)を推定することができる。海鳥由来の海洋物理情報は台風の予測進路や海上気象の予測精度の向上に役立つことが示されている。今後、BiPに登録された鳥類の移動データが鳥類の保全や環境政策、気象予報など様々な用途で活用されることを期待している。

発表したスライドの動画を以下にアップしています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です